『工芸菓子』って 何でしょう?

『工芸菓子』は もとは 『飾り菓子』や『細工菓子』と呼ばれていましたが

今では 『工芸菓子』という 云い方が 一般的になりました 


『工芸菓子』に使われる和菓子は 雲平(うんぺい)生地・餡平(あんぺい)生地・ぬくめ生地・有平(あるへい・ありへい)・落雁(らくがん)・・・ など等です 

様々な和菓子を 駆使して作ります


雲平は 粉砂糖と寒梅粉(餅粉)で・・・  餡平は 餡と米粉・糯粉・砂糖で作ります

この2種類の和菓子が 基本になります(*^^)v

(雲平にも 蜜捏ね・水捏ね・蒸し雲平など 色々あります ややこしくなりますので ここではカットします)


雲平は 花弁や葉などに 餡平は 木や蔓などと 使い分けします


雲平は キメが細かく花弁などに適しますが ひじょう〜に割れやすいです ^^;

乾きは早く 作業性は良いのですが・・・

餡平は 乾きが遅く なめらかで 乾燥する前なら 曲げても割れません (^_^)v

それぞれの特徴を活かしながら 使い分けをします 

また それぞれの欠点を補うため 混合した生地を 使ったりもします


“全てお菓子で出来ています”・・・って本当?(質問口調で・・・)


全て! では無いでしょう すみません 

木や 葉等の芯には 針金が入っています (必要最小限に‥ なるべく使わないようにしていますが・・・)

針金どうしを 付ける時は 糸や接着剤も 使います <(_ _)>


写真の 牡丹の花部分は 勿論 全てお菓子で出来ています (^_^)/~

一切 お菓子以外の物は 使ってません

花弁は雲平 蕊は餡平と新引き粉 組み立てには 蒸気です!

蒸気をあてると 艶が出て もっとあてると 柔らかくなり のり状になったところで

くっつけます (一人 指先まで 艶出しして 叫んでます アッチ〜! って (*^^)v)


見える物は 全てお菓子です!! これが正しいのでしょうか?

針金などは 全てお菓子で 覆い?見える事は有りません!!

針金は やはり最初 抵抗がありました 

“そんなのお菓子じゃ無い“という 同業者もいますが・・・

考え方を変えれば・・・?   例えば “串団子“には 串が入っています 串が無いと “串団子”は 完成しません  今は その程度と 考えてます (笑)


それより大切な事(物?)が 『工芸菓子』には 有ると思うのです・・・


例えば “牡丹”を・・  日本画で・油彩で・磁器で・木彫で・ガラスで・焼物で等・・・  制作してもらうと それぞれの素材・質感をいかした “牡丹”が出揃うでしょう

その中に “和菓子“での“牡丹”が 加わる事の方が 大切に思うのですが・・・(^^)v

“本物そっくり”を 競うテレビ番組もありましたが “本物そっくり”なら 手先の器用な人に 和菓子の材料と 使い方を教えてあげれば 本物そっくりな物も 出来るでしょう

しかし 和菓子としての 表現は出来ないと思います


ここが一番の “キーポイント”です 


『工芸菓子』は 本物そっくりに 仕上げる物では無く  その物に見えながら また和菓子としての表現が 大切で 求められる 『和菓子』なのです


色合いにしても 『上生菓子』で 本物そっくりの色って 無いでしょう?・・


それと同じ様に 作品を 和菓子らしい 色合いに 仕上げたり・・・

形を 誇張したり・・・

様々な 和菓子の美意識を 理解し 取り入れる事が出来るのは 和菓子職人にしか出来ないのでは無いでしょうか (そんな職人になりたい 憧れます(^_^)/~)


売り物でも無く お金にもならない 『工芸菓子』に 魅力を感じるのは

和菓子職人としての 証が そこにあるからでしょうか (^_^)v



すいませ〜ん!!  長すぎました〜 !? まだ語りつくしてませんが・・・

ここまで お付き合いして頂いた方は いるのでしょうか?

気付いたら? 延々と・・・・・・・(笑)